Month: 7月 2012

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ディレクション

一つのクリエイティブを納品するのに

10のプロセスがあるとすれば、人によって

早いか遅いか、正確か不正確かなどの

差が出る。

クライアント様に満足していただき円滑に

制作を進めるにはやはりそれなりの

スキルと能力が必要。

その能力とは

●相手の立場でものを考える力

⇒ 自分がクライアントの立場だったら

こういうことをしてくれたら嬉しい、

ここまでやってくれると楽になる。

ということを考えてメールを

打ったり対応する

例)代理店との取引だと、代理店が

クライアントにそのまま提出できるように

pptにまとめたりマスターを調整する

●段取り力

⇒ 納品日を決定し、逆算して

スケジュールを組む。

その際にバッファーをみて必ず

スケジューリングする。

弊社の営業、ディレクターは、マンガ家、プランナー、

デザイナーとのやりとりがある。

そこにクライアントとのやりとりも

合わせて、4方向と物事を進めないと

いけない。

そのため意見の食い違いが出たり

望んでいたクオリティや作品が出てこない、

納期どおりにできないこともある。

(望んでいたクオリティが出てこないというのは

しっかりと内容を伝えていないことも

あるのでクリエイターだけの責任ではない)

また制作が完了するまでに10あるプロセスだとすると

クライアントに3、4を一気に確認をとっておくということも

段取り力。

例)マンガ家さんからマンガの下書きを

いただく。確認をすると修正したほうが

良い点を複数個所見つける。

通常だと一度、マンガ家さんへ修正依頼を

するがそれだと時間がかかる。

そのためクライアントに「ここは~だから

修正する予定です」と伝えた上で確認をとって

から、マンガ家さんに修正依頼をする。

そうすれば、

①マンガ確認 ⇒ ②マンガ家さんへ修正依頼

⇒ ③修正箇所確認 ⇒ ④クライアント確認

⇒ ⑤クライアント修正指示内容を、こちらで

まとめて指示書をマンガ家さんへ連絡し修正依頼。

⇒ ⑥修正された箇所を確認 ⇒ ⑦クライアントに確認

という過程が

①マンガ確認 ⇒ ②クライアントに修正予定箇所を

伝え確認してもらう ⇒ ③クライアント修正指示内容を

まとめて指示書をマンガ家さんへ連絡し修正依頼

⇒ ④ 修正された箇所確認 ⇒ ⑤クライアント確認

という形で工数が減る。

●スピード

⇒ 絶対に自分が「ボール」を持たない。

ボールとはキャッチボールに例えている。

プランナーからプランニングしたものが

届いたらすぐにチェックしクライアントに

確認依頼と提案を行う。

マンガ家さんからマンガが届いたらすぐに

内容をチェックし、マンガ家さんに修正依頼を

するかクライアントに確認依頼、提案を行う。

など。

自分が確認をするのが遅くなることに

よって大きな時間をロスする。

そのため

早く確認して対処する = ボールを持たない

人はスピードだけで差別化ができる。

仕事が早いというだけでも強みになる。

●メール処理能力

⇒ この能力が、仕事の進行スピードを大きく

左右する。

うちはマンガの会社というよりWebの会社の側面が

強い。

慣れないと1通のメールを作るのに20分~30分も

かかることがあるがこれでは仕事にならない。

素早くメールを返信することが重要。

また、

メール = 契約書

間違ったことは書けないし一度書いたらそれが

残って証拠となる。

そのため、メールでクライアントに確認するところは

しっかり行い、都度、「にぎる」ことは忘れてはいけない。

●状況把握能力

⇒ 言い換えると「空気を読む」ということ。

今、どういう状況になっているのか、

このまま案件を進めてしまうと、のちのち

問題になるのではないか、このペースだと

納期に間に合わないので再度、クライアントや

マンガ家さんへ調整が必要などその時々の

状況を的確に判断して次の手を打たなければ

いけない。

空気を読むというか「想定する」というほうが

正しいか。

「ディレクション」という業務は、

クライアントとクリエイター(マンガ家さんやデザイナー)の

間に入って調整するのが仕事。

しかし、出てきたものを右から左に流していたんじゃ

一向に仕事は終わらないし成長しない。

またうまくやりとりするだけでもダメ。

常に、「提案」をしないといけない。

これはいつも、うちのメンバーに伝えていること。

うちは、ブローカーではなくエージェント。

そのため企画・提案することに価値がある。

はっきり言って、うまくディレクションするには

頭を下げなくてもいいようなことでも下げなければ

いけないことが多々ある。

異なる価値観の人をうまくまとめるのは一筋縄ではいかない。

ただ、それでもそうするのはプライドを捨てるとか

そんなことではなく、クライアントに良いクリエイティブを

提供し、ROI(投資対効果)を上げてほしい、喜んでほしいと

思うから。

この気持ちがないと、やっつけ仕事で終わらせるようなことになる。

また、クリエイティブの仕事は人それぞれで見方が違う。

作ったものを5人に見てもらうと3人は良いと言っても2人は

ダメということもある。

そこをどう折り合いをつけてより良いものを作り出せるかが

その営業、ディレクターの力量だと思う。

こうやって書くとディレクションはすごく大変な仕事だと

思われるかもしれないけど、ディレクションがうまい人は

確実に仕事ができるし、周囲の評価が高い。

そのため、人より早く成長したいと思うのであれば

営業、ディレクターという仕事はおすすめ。